重回帰分析を使った厳密なコース傾向分析について

一般的なコース傾向分析の問題点

この記事では一般的なコース傾向の分析とは異なり、重回帰分析という統計手法により、厳密にコース傾向について分析しています。

一般的なコース傾向の分析記事においては、例えば枠であれば、枠ごとの勝率や回収率(平均値)を示しますが、これはその枠の馬がまぐれで好走し、勝率や回収率が異常に高くなっている可能性があるという問題があります。

また、競馬は様々な要素が複雑に影響し合っており、ある枠の勝率が良かったとしても、それはたまたま実力のある馬がその枠に集中していただけかも知れません。

そこで、この記事では重回帰分析という統計手法を使い、上記のような問題に対処しております。つまり、やや難しいかもしれませんが、他のコース傾向分析よりも厳密であり、本当に有用な情報で予想の役に立つ情報を提供しています。

分析の見方

各数値は基準となる対象に比べてどれだけ勝率や回収率をアップさせる効果があるかを示します。

また、数値の横のアスタリスク(*)マークは統計的に意味のある(確率的に偶然な数値ではないと言うことを意味します)ことを示します。*は1つから3つまであり、*の数が大きいほど、影響が大きいことを意味します。

(例)

では、馬齢の影響を例にして、分析結果の見方を見ていきましょう。中山芝1600mについて馬齢の成績への影響が下記のになっているとします。

馬齢の影響(基準:2歳馬)

まず、3歳馬の単勝率ですが、-0.008となっています。これは、2歳馬に比べて3歳馬は勝率を-0.8%(-0.008を%に換算)低下させることを意味します。しかし、*がついていないため、この数値は偶然でてきた数値であり、2歳馬と3歳馬の勝率に差はないことを示します。

一方で、6歳馬の単勝率は-0.061***となっており、これは2歳馬に比べて6歳馬は-6.1%勝率を低下させる傾向があることを示し、また***が着いているので統計的に意味のある(偶然の数値ではない)ということが分かります。

この表を見ると、2~5歳馬までは勝率や回収率にほとんど差が無い一方で、6歳馬以降は勝率・回収率ともに低下することを意味しているため、馬券的においしくないことがわかります。

少しややこしいですが、記事をしっかりと解釈できるようになると馬券の回収率アップに役立つと思いますので、是非最後までお読みいただけると幸いです。