歴代三冠馬
中央競馬出走馬全ての憧れである三冠レースを一つ勝つことでも相当に難しいとは思いますが,三冠馬となると圧倒的な実力を有していなければなりません。
歴代の(牝馬)三冠馬は下記のようになっています。
- 牡馬三冠馬(皐月賞・東京優駿・菊花賞)
1941年 | セントライト |
1964年 | シンザン |
1983年 | ミスターシービー |
1984年 | シンボリルドルフ |
1994年 | ナリタブライアン |
2005年 | ディープインパクト |
2011年 | オルフェーブル |
2020年 | コントレイル |
- 牝馬三冠馬(桜花賞・牝馬優駿・秋華賞【エリザベス女王杯】)
1986年 | メジロラモーヌ |
2003年 | スティルインラブ |
2010年 | アパパネ |
2012年 | ジェンティルドンナ |
2018年 | アーモンドアイ |
2020年 | デアリングタクト |
間違いなく錚々たる顔ぶれですが,三冠馬になるのはどれほど難しいのでしょうか?または,二冠を取った場合,どれくらいの確率で三冠目をとることができるのでしょうか?
データベースの関係で2010年から2021年までのデータにはなりますが,それを確認してみましょう。
なお,ウォッカのように牝馬で東京優駿を勝った例もありますが,分析対象の2010年以降はそのような例はないため,(牡馬)三冠は牡馬のみ,牝馬三冠は牝馬のみ,いずれもセン馬を除いたものをそれぞれのサンプルとします。
牡馬三冠までの道筋
2010年から2021年までの間に中央競馬では26,388頭の牡馬が出走しています。
冠数 | 頭数(%) |
---|---|
全体 | 26,388頭(100%) |
一冠以上 | 30頭(0.09%) |
二冠以上 | 4頭(0.02%) |
三冠馬 | 2頭(0.01%) |
クラシック競走のどれかを一つ勝つという時点で既に全体の0.09%しかいません。さらに,二冠以上とっている馬は4頭のみで全体の0.02%となっています。そして,三冠馬は全体の0.01%です。0.01%という確率は大体一世代のうち東大理三に現役合格するくらいの確率ですね。
しかし,二冠をとった4頭(オルフェーブル・ゴールドシップ・ドゥラメンテ・コントレイル)のうちオルフェーブルとコントレイルの2頭はそのまま三冠目の菊花賞も勝っています。二冠取った馬がそのまま三冠取る確率は50%です。また,ドゥラメンテは菊花賞に出ていないので,挑戦した馬でいうと75%です。二冠を取り,かつ距離適性の範囲内であれば比較的三冠目は行けそうな感じです。
牝馬三冠までの道筋
2010年から2021年までの間に中央競馬では23,445頭の牝馬が出走しています。
冠数 | 頭数(%) |
---|---|
全体 | 23,445頭(100%) |
一冠以上 | 30頭(0.09%) |
二冠以上 | 6頭(0.03%) |
三冠馬 | 4頭(0.02%) |
牝馬三冠の場合は二冠以上の割合が少しだけ高くなっています。それでも,二冠以上(アパパネ・ミッキークイーン・メイショウマンボ・ジェンティルドンナ・アーモンドアイ・デアリングタクト)で全体の0.03%,牝馬三冠馬は4頭で全体の0.02%となっています。
やはりここでも二冠をとった馬の三冠をとる確率は比較的高く,桜花賞に出走していないミッキークイーンを除けば80%となっています。
まとめ
やはり,三冠レースを一つでも勝利することは非常に難しく,さらに,二冠・三冠を取ることができるのは非常に限られた競走馬のみとなっています。ただ,二冠をとっている馬はその時点でずば抜けた能力をもっており,三冠目も距離適性の範囲内であれば行けないこともない感じですね。