中京芝2000mのコース傾向について,過去10年のデータでまとめました。
中京芝2000mは最後の直線が長いため、スタミナの試される差しの効くコースかと思いきや、位置取りとレース展開が重要なコースであり、有利な位置取りをするための馬のスピードと騎手の能力が試されるコースとなっています。
- 2枠と5枠がやや有利
- 逃げ・先行有利
- 種牡馬別成績:キングカメハメハ・ディープインパクト産駒の成績が良い
- 得意騎手:ルメール・岩田・川田・デムーロ騎手
- 得意調教師:とくになし
記事の説明
この記事では、一般的なコース傾向分析の問題点を解決するために重回帰分析という統計手法を使って厳密にコース傾向を検討しています。
競馬予想を行う際に誤ったコース傾向を考慮してしまうことは回収率の低下を招いてします。やや特殊な分析となっていますが、私のコース傾向分析記事を初めてご利用される方はお手数ですが下記の説明をお読みいただけますと幸いです。
コース概要
スタートは1コーナー横のポケット地点。中山競馬場芝コースの高低差は5.3mと、JRA全10場の中で最も高低差がある。ホームストレッチ中央から左寄り、上り坂の途中からのスタート。一回目のゴール板前を過ぎた後、グルリと一周する。1~2コーナーのカーブは緩い上り坂で、残り1080m地点まで続く。その後は緩やかな下り坂に入る。3~4コーナーはスパイラルカーブで下り坂。最後の直線はゴール手前340m地点より240m地点にかけて高低差2.0mの急な上り坂。勾配は2.0%で、中山競馬場芝コースに次いで傾斜がきつい坂が設けられている。ラスト240mはほぼ平坦。芝コース全体の高低差は3.5m。最後の直線距離はAコース時、Bコース時ともに412.5m。
- ローズステークス(G2)
- 金鯱賞(G2)
- 中京新聞杯(G3)
- 鳴尾記念(G3)
- きさらぎ賞(G3)
- 愛知杯(G3)
枠番別成績:2枠と5枠がやや有利
枠番別の成績傾向は下の表のようになります。
1枠に比べて2枠は単勝率が3%上昇し、5枠は複勝率回収率が1.3%上がる効果があります。ただし、影響度としてはかなり小さいため、枠による有利不利はほとんどないといえるでしょう。
距離が2000mであり、4つのコーナを回ることになります。その点、スタートから最初のコーナーまでが短い点は内枠有利となりますが、3コーナー部分が外にふくらんだ形状になっているため外枠有利となります。結果として、内外枠の有利不利が相殺されていることが考えられます。
枠番別成績(基準:1枠)
脚質別成績:逃げ・先行馬有利
脚質別の成績傾向は下の表のようになります。
中団の馬に比べて明確に逃げ・先行馬が有利なコースとなっています。とくに、スタート後の直線が短いため、逃げて有利なコーナーワークができる逃げ馬が非常に有利です。
最終コーナー後に傾斜のキツい坂を上がることになり、ゴール前の直線は410mと非常に長いため、スタミナの試されるコースとなっているはずですが、後方からの差し馬の成績は低く、またマクリも決まらない傾向があります。
基本的には逃げ・先行馬を狙っていきたいところです。
脚質別成績(基準:中団)
種牡馬別成績:スタミナよりもスピード血統
種牡馬別の成績傾向は下の表の通りです。記載の種牡馬は統計的に意味がないか数値かサンプル数が足りていないので気にしなくても問題ありません。
ディープインパクト産駒とキングカメハメハ産駒の成績が突出しています。とくに、キングカメハメハ産駒は単勝率を7%、ディープインパクト産駒は単勝率を4.2%、複勝率を3.8%向上させる効果があります。同様に両馬産駒とも回収率を大きくアップさせる効果があるため、積極的に買っていきたいです。
両産駒ともにスタミナよりもスピードに特徴がある産駒であり、スタートに先行し、有利な位置取りが出来る能力が有利となっていることが考えられます。
種牡馬別成績(50音順)
騎手別成績:騎手の上手さが勝敗に直結する
騎手別の成績傾向は下の表の通りです。記載の騎手は統計的に意味がないか数値かサンプル数が足りていないので気にしなくても問題ありません。
得意騎手はルメール・岩田・川田・デムーロ騎手となっています。リーディング上位騎手が順当に上手くはしれていると形です。馬の能力が出る最終直線よりも、スタートやコーナーにおける位置取りが重要なコースであるため、騎手の能力が勝敗に直結しやすいのだと考えられます。
勝率には直結しないものの、回収率アップに効果のある騎手は北村騎手や武豊騎手となっています。
一方で、国分騎手については勝率・回収率にマイナスの影響が出ているため、注意が必要です。
騎手別成績(50音順)
調教師別成績:とくに傾向は見られない
調教師別の成績傾向は下の表の通りです。記載の調教師は統計的に意味がないか数値かサンプル数が足りていないので気にしなくても問題ありません。
特にこのコースを得意としている調教師はいないようです。調教師よりもスピードのある血統や騎手に着目した方がよいです。
調教師別成績(50音順)
まとめ
まとめると、最後の直線前に傾斜のキツい坂があり、また直線も長いためスタミナの求められるようなコースとなっているように見えますが、スタート後の直線における位置取りが非常に重要なコースとなっています。
そのため、逃げ・差し馬やスピードの出せる血統を中心に馬券を購入することが重要です。また、位置取りが重要なコースであるため、騎手に注目することで的中率・回収率アップにつながるでしょう。
- 2枠と5枠がやや有利
- 逃げ・先行有利
- 種牡馬別成績:キングカメハメハ・ディープインパクト産駒の成績が良い
- 得意騎手:ルメール・岩田・川田・デムーロ騎手
- 得意調教師:とくになし
ちなみに、下記の記事では騎手の能力を統計を使って測定しております。騎手の能力が重要なコースなので是非参考にしてください。
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