中京芝2200mのコース傾向について,過去10年のデータでまとめました。
スタート後、第1コーナーまで長い直線があり、枠番や脚質による位置取りの有利不利があまりないコースである。また、ゴール前の直線も長いため、他のコースに比べて比較的マクリが効きやすい。
上記の特徴から先行争いが激しくなりにくいため、ペースが落ち着きやすく、どこで仕掛けるかということが重要なコースであるため、経験豊富な日本人騎手が有利なコースと言える。
- 枠による有利不利なし。ただし、複勝回収率において中枠から外枠やや有利。
- 後方からの差し馬不利
- ほとんど差はないが、ステイゴールド・ハーツクライ・ルーラーシップ産駒の成績がやや良い
- 得意騎手:武豊・福永祐一・松田大作騎手
- 得意調教師:とくにない
記事の説明
この記事では、一般的なコース傾向分析の問題点を解決するために重回帰分析という統計手法を使って厳密にコース傾向を検討しています。
競馬予想を行う際に誤ったコース傾向を考慮してしまうことは回収率の低下を招いてします。やや特殊な分析となっていますが、私のコース傾向分析記事を初めてご利用される方はお手数ですが下記の説明をお読みいただけますと幸いです。
コース概要
- コースレコード:2.09.9
- 2016/3/27 曇 良
- グリュイエール(牡4歳)
- ルメール(56.0)
コーナーにあるポケットからのスタート。正面スタンド前直線をほぼ目いっぱいを使い、1コーナーのカーブに入る。1~2コーナーのカーブは緩い上り坂で、残り1080m地点まで続く。その後は緩やかな下り坂に入る。3~4コーナーはスパイラルカーブで下り坂。最後の直線はゴール手前340m地点より240m地点にかけて高低差2.0mの急な上り坂。勾配は2.0%で、中山競馬場芝コースに次いで傾斜がきつい坂が設けられている。ラスト240mはほぼ平坦。芝コース全体の高低差は3.5m。最後の直線距離はAコース時、Bコース時ともに412.5m。
JRA-VAN NEXT
- 日経新春杯(G2)
- 神戸新聞杯(G2)
枠番別成績:複勝回収率はやや外枠有利
枠番別の成績傾向は下の表のようになります。
勝率についてはどの枠も差がほとんど無い。これは、スタート後の直線が長く、第1コーナーまでに書く枠番の馬がそれぞれ位置取りしやすいことが理由であると考えられる。
ただし、複勝回収率にのみ1枠にくらべて3・5~8枠で複勝回収率を1.6~1.9%向上させる効果がある。外枠はやや過小評価される要因となっていることが窺える。
枠番別成績(基準:1枠)
脚質別成績:後方からの差し馬を除いてフラット
脚質別の成績傾向は下の表のようになります。
基本的にどのコースにおいても脚質についてはどのコースも逃げ・先行馬の成績が高くなる傾向があるが、中京芝2200mにおいてはそうした影響は見られず、基本的には脚質別成績はフラットとなっている。
これは、上述のとおり、スタート後の直線長く各脚質の馬は位置取りがしやすく、またゴール前の直線も長いため、中団からのマクリもしやすいということが影響していると考えられる。他のコースに比べたらスタミナ勝負となっているといえる。
ただし、後方からの差し馬だけでは成績が悪くなっている点には注意が必要。
脚質別成績(基準:中団)
種牡馬別成績:適性のある産駒はなし
種牡馬別の成績傾向は下の表の通りです。記載の種牡馬はサンプル数が足りていないので気にしなくても問題ありません。
種牡馬別成績についてもそれほど差異がない。ステイゴールド産駒は複勝率(回収率)がやや高くなっている。これは、スタミナがあるステイゴールド産駒の特徴がこのコースとマッチしていると考えられる。
複勝回収率を2.2%アップ差せる効果をもつハーツクライ産駒や2%アップのルーラーシップ産駒はスピードとスタミナのバランスが良いからだろう。
種牡馬別成績(50音順)
騎手別成績:武豊・福永騎手が得意
騎手別の成績傾向は下の表の通りです。記載の騎手は統計的に意味がないか数値かサンプル数が足りていないので気にしなくても問題ありません。
武豊騎手と福永祐一騎手が得意であることがうかがえる。やや劣るが松田大作騎手も複勝において成績が良い。コースの特徴として、スタート後の直線が長いため、先行争いになりにくく、ペースが落ち着きやすいため、どこで仕掛けるかが重要であり、その点、経験豊富なベテラン騎手の成績が良いことが考えられる。
ちなみに、統計的に重要な傾向がなかったため表には載せていないが、ルメール騎手はとくに得意でもないし不得意でもない。
騎手別成績(50音順)
まとめ
コースの特徴としては、スタート後の直線が長く、先行争いになりにくいためペースが落ち着きやすい点。また、ゴール前の直線も長く、マクリも効きやすい。そのため、どこで仕掛けるかが重要であり、騎手の経験や競走馬の操縦性が重要なコースであるといえる。また、仕掛けた後にしっかりと走りきるスタミナも重要。
大きな有利不利がなく、フラットに競走できるコースであると言えるため、予想においては出走馬の能力をしっかりと見極める力がものをいう面白いコースである。
- 枠による有利不利なし。ただし、複勝回収率において中枠から外枠やや有利。
- 後方からの差し馬不利
- ほとんど差はないが、ステイゴールド・ハーツクライ・ルーラーシップ産駒の成績がやや良い
- 得意騎手:武豊・福永祐一・松田大作騎手
- 得意調教師:とくにない
中京競馬場のコース傾向分析
芝コース
ダートコース