AI の予想は、あくまで「標準的な流れ」を前提にした確率です。
その日のメンバーを見て「この面子なら前半が速くなる」「これは消耗戦になる」と読んだとき、その読みをAI の確率に反映させて、自分専用の評価に作り替える——それがシナリオ補正です。
アンサンブル競馬予想Webアプリの馬柱で、ペース・展開・荒れ方をダイヤルで選ぶだけ。18 通りの読みに対応する試算をあらかじめ計算してあるので、選んだ瞬間に勝率と期待値が組み替わります。
そして、この機能のもうひとつの柱があとで答え合わせができることです。確定した読みと、ご自身で付けた予想印はマイページに記録され、実際の結果と突き合わせて表示されます。当たったかどうかが感覚ではなく数字で残るので、使うほどご自身の読みの得意・不得意が見えてきます。
こんな方に向けた機能です
- AI の予想数値は参考にするが、そのまま乗るのは抵抗がある方
- 「この面子ならペースが速くなる」といった自分の展開予想に手応えがある方
- AI の印と自分の本命が食い違ったとき、なぜ違うのかを数字で確かめたい方
- 自分の読みや印が実際どれくらい当たっているのかを、感覚ではなく数字で確かめたい方
逆に、買い目をそのまま受け取って乗りたい方には不要な機能です。その場合は従来どおり、期待値と印、推奨買い目をご覧ください。シナリオ補正を使わなければ、これまでの表示は何も変わりません。
この機能で何ができるか
同じレースでも、前半が速く流れるか落ち着くか、直線が瞬発力勝負になるか消耗戦になるかで、有利な馬は入れ替わります。シナリオ補正は、その前提条件をあなたが指定できるようにしたものです。
「今日は逃げ馬が 3 頭いてハイペースになりそうだ」と読んだなら、そのとおりに設定します。すると、ハイペースで持ち味が出る馬の勝率が上がり、前に行って粘るタイプの勝率が下がった試算が表示されます。
ここで表示される数値は、その読みが当たった場合の試算です。読みが外れれば逆方向に効きます。的中や利益を保証するものではありません。
使い方
馬柱を開き、表の上にある 「🎚️ シナリオ補正」のスイッチを入れると、3 つのダイヤルが現れます。
- ペース … 道中の流れの速さ。H(速い)/M(平均)/S(遅い)
- 展開 … 直線の質。瞬発力勝負になるか、消耗戦になるか
- 荒れ度 … 人気どおりに収まるか、波乱含みか。堅い/普通/荒れる

3 つの組み合わせで 18 通り。それぞれについて、開催日の前にあらかじめ計算した試算値を用意してあるので、ダイヤルを動かすと即座に表示が切り替わります。

表示する列は「すべて/基本/シナリオ」の 3 つのプリセットで切り替えられます。スマートフォンなど画面の狭い環境では「シナリオ」を選ぶと、判断に必要な列だけに絞られます。
馬の 4 つの能力と「型」
シナリオ補正は、各馬について過去走から測った 4 つの能力を使っています。列にはその日の出走馬の中での水準を S〜E で表示します。
| 列 | 意味 |
|---|---|
| 瞬発 | 短い区間での加速力。上がり 3F の速さを条件で標準化したもの |
| 位置 | 前に行って良い位置を取る力(S = 前に行ける馬) |
| 持続 | 長く脚を使い続ける力。前半の負荷に対する成績の粘り |
| タフ | 距離や馬場など、重い条件への強さ |
型の列は、位置取り(前方/後方)と決め手(瞬発/持続)を掛け合わせた 4 分類です。文字の色が位置取り(前方=橙/後方=青)、背景色が決め手(瞬発=淡い黄/持続=淡い緑)を表します。色に優劣の意味はありません。

この 4 つは確からしさが同じではありません。瞬発と位置は、同じ馬の過去走を 2 つに分けて測り直しても近い値が出ます(再現性の指標で 0.72/0.75)。一方、持続とタフは 0.11/0.14 と低く、個体の値はほとんど血統由来の推定です。持続・タフのランクは参考程度に見てください。
なお、位置のランクは「シナリオ」プリセットでのみ表示しています。既存の「予想脚質」と重なる情報のため、通常表示では省いています(予想脚質はそのレースでどう走るかのモデル予測、位置は過去実績から測った恒常的な特性で、ペースの補正がどれだけ効くかの目安です)。
「型」は強さの順位ではなく、2 × 2 の分類です
型は位置取り(前方/後方)と決め手(瞬発/持続)という2 つの軸を掛け合わせたものです。どちらの軸もその日の出走馬を半分ずつに分けた区分で、「前方だから強い」「瞬発だから優れている」という意味はありません。出走馬は 4 つのどれかに分かれ、どの型にも人気馬と人気薄が混ざります。

この分類が効いてくるのは、ダイヤルを動かしたときにどちらへ動くかが型で決まるからです。実際に本番の試算値で測ると、次のようになっていました(2026 年 8 月 23 日・416 頭。単位は勝率のポイント)。
| 型 | ペースを遅い読みにすると | 読みを「瞬発」にすると | 頭数 |
|---|---|---|---|
| 前方瞬発型 | +0.54 | +0.13 | 100 |
| 前方持続型 | +0.25 | −0.15 | 148 |
| 後方瞬発型 | −0.60 | +0.17 | 88 |
| 後方持続型 | −0.46 | −0.07 | 80 |
読み方はそのままで、前に行く馬はペースが落ち着くほど評価が上がり、後ろから運ぶ馬は流れるほど上がります。決め手の側も同じで、瞬発型は「瞬発力勝負」、持続型は「消耗戦」の読みで評価が上がります。つまり型は「この馬はどのシナリオを待っているか」の early な要約です。
ここで注意していただきたいのは動く幅の小ささです。いちばん大きい前方瞬発型でも、ペースの読みを端から端まで変えて勝率 0.5 ポイント程度。期待値が実際の回収実績に合わせて調整してあるため、ダイヤルひとつで評価が引っくり返ることは滅多にありません。効くのは「もともと接戦だった馬同士の順序」で、そこが動くかどうかを見る機能です。
過去走が浅く能力を推定できない馬は型が「—」になり、ダイヤルを動かしても数値が変わりません(基準の確率・期待値のまま表示します)。新馬戦など出走馬全員がこれに当たるレースもあります。
表の読み方
シナリオ補正を入れると、薄い青地の列が加わります。白地の同名列が補正前の基準で、薄い青地がその読みでの試算です。
| 列 | 意味 |
|---|---|
| 単勝率(シ)・複勝率(シ) | 読みが当たった場合の勝率・複勝率 |
| Δ勝率 | 補正前後の勝率の差(プラスは赤、マイナスは青) |
| 単EV(シ)・複EV(シ) | 読みが当たった場合の期待値。1.0 以上が期待値ありの目安 |

期待値の列は、基準の期待値とまったく同じ計算・同じ補正を通した値です。閲覧画面側で「基準の期待値 × 確率の比」といった簡易計算はしていません。
補正の効き方は控えめです。期待値は実際の回収実績に合わせて調整してあるため、極端には振れません。実例として 2026 年 8 月 23 日の全 466 頭では、読み方によって単勝期待値が 1.0 をまたぐ馬は 15 頭でした。1 レースあたり 1 頭いるかどうかです。
馬別ベストシナリオ
馬柱の下にある 「⭐ 馬別ベストシナリオ」を開くと、18 通りの読みを全部試した結果を逆引きできます。
- ベストシナリオ … その馬の期待値が最も高くなるダイヤルの組み合わせ
- 単EV(ベスト)/単EV(ワースト) … 最も良い読み・最も悪い読みでの期待値
- 安定度 … ベストとワーストの差から付けた 3 段階
安定度が 高 の馬は、どの展開でも評価がほとんど変わりません。低 の馬は展開次第で大きく変わります。低い馬は、その展開を読み切れている自信があるときにだけ妙味になり、読みを外すと逆に働きます。

ダイヤルを 18 通り試さなくても、「今日はどの馬がどの展開待ちか」を一覧で確認できます。
読みを残して、答え合わせする
ダイヤルは動かすだけなら何度でも試せますが、「この読みで確定する」を押すと、そのレースの読みとして記録されます(Basic プラン以上)。試しに動かしただけの値まで残すと、後から振り返るときに自分が本当にそう読んだのか分からなくなるためです。
記録できるのは発走前までです。発走後は確定も取り消しもできません。取り消しだけ残すと、外した読みを消して当たった読みだけを残せてしまい、答え合わせが成立しなくなるためです。
確定した読みはマイページの「展開の読みの答え合わせ」に集まり、実際の結果と突き合わせて表示されます。的中率の隣には無作為に選んだ場合の的中率を基準線として併記しています(ペースと荒れ度は 3 択で約 33%、展開は 2 択で 50%)。ご自身の読みがその基準を上回っているかどうかが、この機能を使うべきレースを見極める材料になります。
答え合わせはペース・展開・荒れ度の 3 つとも行います。ペースは JRDB のレースペース(H/M/S)、展開は上位馬の上がりがペースに対して速かったか(瞬発)/長く脚を使う形だったか(持続)、荒れ度は勝ち馬の確定人気で判定しています。

ひとつだけご注意ください。ペースと展開の判定材料はレース直後には揃わず、数日遅れて届きます。その間は「結果待ち」として集計から外しています(外れとして数えているわけではありません)。上の例で「記録 7・判定済み 6」となっているのが、その待ちの状態です。
マイページにはご自身で付けた予想印の通算成績も並びます。こちらは勝率・3着内率に加えて「オッズ通りの勝率」を基準線として併記しています。人気馬に印を付けるほど基準も上がるので、人気の偏りを差し引いた実力で読めます。なお集計するのは発走前に記入した印だけで、発走後に付けた印は件数と理由を表示したうえで成績に含めていません。
読みを鍛えるサイクル
測れないものは直せません。読みと印を残して結果と突き合わせると、次のレースで何を変えればよいかの手がかりが出てきます。想定しているのは次の 4 段です。
- 読みを登録する — 出走馬が出た週の前半、メンバーを見た第一印象の段階で記録しておく
- 補正された数値で買い方を決める — 前日夜に本予想が出たら、その読みで組み替わった勝率・期待値を見る
- 結果と突き合わせる — レース後、マイページに読みの的中率と、印の勝率・回収率が積み上がる
- 基準線と比べて次に活かす — 上回っている条件と下回っている条件を分けて見る
たとえば「荒れると読んだレースだけ基準を大きく下回っている」と分かれば、荒れ度のダイヤルは動かさず、ペースの読みだけを使うという使い分けができます。どの条件で自分が当てられているかは、記録を貯めない限り分かりません。
レース当日を待たずに登録できる
出走馬が発表された週の前半(事前情報の画面)にも「🎚️ 展開の読みを先に登録する」があり、この時点で読みを記録できます。メンバーを見た第一印象を、オッズや直前情報を見る前に残しておけます。
この段階では 18 通りの試算がまだ計算されていないため、補正後の数値は表示されません。前日夜に本予想が公開されると、記録した読みで補正した勝率・期待値が馬柱に出ます。
どこまで効くのか
この機能は、効果を測ったうえで、効かなかった部分もそのまま残しています。学習に使っていない 3 年分(2023〜2025 年)のデータで、補正の要素ごとに上乗せ効果を検証した結果は次のとおりです。
| 補正の要素 | 検証結果 |
|---|---|
| 位置(ペースに対する前後) | 最もはっきりした上乗せ効果を確認 |
| 展開(瞬発/持続) | 小さいが上乗せ効果を確認 |
| スタミナ・馬場 | 上乗せ効果を確認できなかった |
補正が効くのは「実際にその展開になったレース」です。読みが当たったときにはじめて上乗せが出るという性質なので、ダイヤルは自動で決め打ちせず、お客さまに選んでいただく形にしています。
読みが当たると回収率は上がるのか
ここが一番知りたいところだと思いますので、実際に測りました。2025〜2026 年を対象に、単勝の期待値 1.0 以上を 1 点 100 円ずつすべて買った場合の成績です。
| 読みの結果 | 買い目数 | 的中率 | 単勝回収率 |
|---|---|---|---|
| 補正なし(AI の予想のまま) | 2,106 | 14.3% | 107.3% |
| 読みがすべて当たり | 2,201 | 24.5% | 116.7% |
| 読みがすべて外れ | 2,211 | 19.2% | 87.2% |
読みの精度が、そのまま数字に出ています。当たれば補正なしより +9.4 ポイント、外せば −20.1 ポイント。的中率も 14.3% → 24.5% と、当たったときには買う馬の質が変わっていることがわかります。
ここは正直にお伝えしておきます。上振れ側(+9.4 ポイント)は、まだ統計的に確定したとは言えません。誤差を考慮した範囲が −11.2 〜 +25.8 ポイントと広く、「変わらない」可能性も残っているためです。一方の下振れ側は誤差を含めてもマイナス圏に収まっており、読みが外れたときに数字が落ちることは、はっきりしています。
これは裏を返せば、この機能があなたの読みをそのまま増幅するということです。手応えのあるレースで使えば上振れが期待でき、なんとなくで動かせば下振れます。読みに自信があるレースで使う——それがこの数字から導かれる、いちばん素直な使い方です。
荒れ度の補正は意図的に弱めてあります。荒れ方の予測は他の 2 つより難しく、強く効かせると外したときの損失が大きくなるためです。読みが当たったときの利得が、外したときの悪化を上回る範囲に収まるよう、補正の強さを自動で選んでいます。
この機能をどう使うか
AI が出しているのは、大量の過去走から組み立てた標準的な流れを前提とする確率です。そこに「今日はこう流れる」というあなたの読みを重ねると、同じ出馬表がまったく違う顔になります。使い方としては、次のような形を想定しています。
- 自分の読みを検算する — 「消耗戦になれば あの馬」という感触を、勝率と期待値の変化として確認する
- 読みの効きやすい馬を探す — 「馬別ベストシナリオ」で、展開次第で評価が動く馬(安定度が低い馬)と、どの展開でも動かない馬を見分ける
- AI と自分の食い違いを詰める — AI の本命と自分の本命が違うとき、どの展開なら自分の本命が浮上するのかを確かめる
- 読みを鍛える — 記録した読みと印をマイページで振り返り、基準線を上回っている条件・下回っている条件を分けて、次のレースの読み方を調整する
いちばん相性がいいのは、「この面子なら流れはこうなる」という手応えがあるレースです。逆に展開が読み切れないレースでは、無理に動かさず補正なしの評価をご覧ください。読みの質がそのまま結果に反映されるのがこの機能の性質です。
ご利用にあたっての注意
- シナリオ列は読みが当たった場合の試算です。的中や利益を保証するものではありません
- 本サービスの予想印・期待値・推奨買い目には、この補正を使用していません。現在は検証中の追加機能として、参考情報の位置づけで提供しています
- 予想が更新された直後など、試算の前提が揃わない場合は、誤った数値を出すより非表示にする方針です(「再計算待ちです」と表示されます)
- 持続・タフのランクは血統情報が主体で、個体差の確度は控えめです
ご利用いただけるプラン
| 表示内容 | 未ログイン | 無料会員 | Basic 以上 |
|---|---|---|---|
| ダイヤル・勝率の試算列・能力ランク | ✓ | ✓ | ✓ |
| 読みの記録・マイページでの答え合わせ | – | – | ✓ |
| 期待値(単EV(シ)・複EV(シ))の試算列 | – | – | ✓ |
ダイヤルと勝率の試算はご登録前(未ログイン)でもお試しいただけます(未登録の状態では、出馬表そのものは一部の列のみの表示です)。期待値の試算列と、読みの記録・答え合わせは Basic プラン以上での提供です。
プランの詳細・ご登録はサービス案内ページをご覧ください。全プランに 15 日間の無料トライアルが付きます。
アプリの基本的な使い方・指数や印の見方はWebアプリと予想指数・印の解説をご覧ください。
※本サービスは的中や利益を保証するものではありません。各指数・印はご自身の予想・判断の参考情報としてご利用ください。