こんにちはyoshiです。今回は,なぜ競馬予想の公表において,予測印や指数ではなく,期待勝率の情報が最も重要であると私が考えているかについて,私なりの考えを書いてみました。
この記事でいう期待勝率とは?
「競馬は馬券を当てるためにやってるんだから,期待勝率の情報が重要なんて当たり前だろ」と思う方もいらっしゃるかと思います。また,競馬ファンの方は誰しも「この馬は代替これくらいの勝率でこれくらいのオッズが妥当だろう」という大まかな当たりを付けているかと思います。
しかし,ここでいう”期待勝率”というのは,予測印や指数,おおまかに予想される勝率といった形で表されるものではなく,そのレースでその馬が約何%の確率で1着(もしくは馬券内)に入るのか?という具体的な数字に関する情報のことを指します。
この数値は厳密に計算する必要があります。なぜなら,期待勝率の1%の違いは,オッズにすると0.7倍になります。この0.7という数字が小さいか大きいは人によって意見が変わるかも知れませんが,控除率20%の壁を越え,回収率100%を超えるためにはコンマいくつのオッズの差が勝敗を決めると思っています。
そのため,「期待勝率は”大体”何%で,期待オッズは”大体”これくらいだろう」ということではダメで,可能な限り厳密に期待勝率を計算する必要があるのです。
予想において最も難しい期待勝率の計算
言うまでもないことですが,競馬を娯楽としてだけでなく,投資とするためには,的中率ではなく回収率を重視する必要があります。このことは,ギャンブラーとして尊敬するインスタントジョンソンのじゃいさんや,馬券裁判で有名な卍さんも出版された書籍のなかで言及しています。
ここで,回収率の計算は
回収率 = オッズ × 期待勝率
となります。オッズは簡単に確認することができますが,問題は期待勝率です。
特定の競走馬の期待勝率には競走馬の競走馬の過去成績やタイム,脚質,血統,負担重量,性別,馬場適性,騎手,調教師,展開等々,数え切れないほどの予想ファクターが絡んできます。
しかも,特定の競走馬の勝ち負けは,そのレースに出場する他の競走馬との相対的な力関係によって決まるため,期待勝率の計算はさらに複雑になります。
このように,数多くの予想ファクターを総合的・相対的に考える必要がありますが,普通の人間の処理能力では厳密な期待勝率を計算できません(アインシュタインやジョン・フォン・ノイマン見たいな超天才にはもしかしたら可能かもしれません)。
すなわち,競馬を予想するにあたって本当に必要な情報は,最も計算が難しい”期待勝率”なのです。
統計と期待勝率
そこで登場するのが統計やAI・機械学習といった手法です。これらはPCという計算の得意な機械を用いて人間には不可能な複雑な勝率の計算をやってくれます。
巷には数多くのAI・機械学習を使った予想家や予想ソフトが存在します。しかしながら,私の知る限りでは,AI・機械学習による予想において公開されているのは予想印や指数による予想であり,最も重要な情報であるはずの,その馬がそのレースで何%くらいの確率で1着になるのかという期待勝率を公開しているものは見当たりませんでした。
(余談ですが,すこし統計の話をしますと,勝率の予想には被説明変数が1着かそうでないかという1/0のダミー変数を用いるロジットモデルという統計手法が必要であり,走破タイムのような連続変数のモデルに比べて計算が難しくなり,予測精度が低下する可能性があるというデメリットがあります。おそらく,期待勝率を公開する予想家さんが少ないのはそれも理由の一つだと思います。)
予測印や指数を使って期待回収率を計算し,投資競馬を実践するためには,予測印であれば◎なら勝率が何%,この指数の値であれば勝率が何%ということを過去のデータから照合しなくてはなりません。
これは単純に2度手間でまですし,照合するためのデータを集めたりしなくてはなりません。また,その過程で予想に関する情報量も少なくなります。
AIや機械学習を用いた予想媒体では,投資競馬が標榜されることが多いですが,個人的には,本当に投資競馬なのかどうか怪しいと思います(回収率を上げるための買い目の情報がある場合はありかと思いますが,これも個人的な他の人の買い目にそのまま乗っかることは競馬予想の面白さを損なうような気がします)。
なぜならば,期待勝率20%(オッズ4倍)の◎と期待勝率30%(オッズ2.7倍)の◎では,オッズにして約1.3の差があります。この1.3倍が予想印を使うことによって失われる情報量です。
1番人気馬の平均オッズは2.7倍なので,この数字を基準にすると,期待勝率30%の馬は買ってもいいですが(期待値はとれませんが),期待勝率20%の馬は買うべきではないと言うことになります。予想印のみだとこの判断が出来ない場合が多いことになります。
そのため,せっかくAIや機械学習を使っているのに予想印や指数情報という情報のみが公表されており,それを参考にして馬券を買うくらいならば,AIや機械学習が扱えないファクターも考慮されるじゃいさんやキャプテン渡邊さんのような予想家の経験を信じて馬券を買う方が良いのではないかと思います。
まとめ
以上の理由から,競馬予想,とくに投資競馬において最も必要とされる情報はなるべく厳密に計算された期待勝率であると私は思っています。
そのため,私の予想では,統計を用いて計算した期待勝率と,そこから計算される期待オッズの情報を公開しています。期待オッズがわかれば,実際のオッズが期待オッズよりも高い競走馬に賭ければ”理論上は”期待回収率が100%を超えます。
ただし,期待勝率はあくまで過去の競馬の傾向から導き出された”期待される”勝率であるため,的中を約束するものではありません。また,過去の傾向が適合しなくなり回収率が100%を下回ることも全然あり得ます。ギャンブルは自己責任という点だけはご注意ください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
精度の高い予想や皆さんのお役に立てるような記事を作成できるよう努力しますので,今後ともよろしくお願いします。
※期待オッズ = (1-控除率) ÷ 期待勝率(私は控除率を20%で計算しています)