2026年11月7日(土)東京11R・芝1400m。この記事は11月2日時点の登録馬を対象に、東京芝1400mと京王杯2歳ステークスで語られてきた傾向がデータで支持されるかを確かめたものです。予想ではありません。
数字にはすべて「何頭ぶんの話か」を添えています。頭数が少ない数字は、たまたまでも簡単に動くからです。
京王杯2歳ステークスの過去の決着傾向とコース傾向の検証は 京王杯2歳ステークスのデータ にまとめています。
この記事では「◯倍」という言い方をよく使います。比べる相手を1.0としたときの比率のことで、1.08倍なら1割弱高い、0.85倍なら1割あまり低い、1.04倍ならほぼ同じ、という意味です。差の大きさを「何ポイント低い」で比べると、もともとの割合が違う区分どうしで大小が逆転するため、このサイトでは倍率で揃えています。
先に結論

- 「休み明けは走らない」は、このレースでは逆でした。 前走から13週以上あいた馬の3着内率は42.1%(19頭ぶん)で、同じレースに出ていた残りの馬19.3%の2.18倍(2倍あまり)です。⚠ ただしこの区分は前走のレースと重なっています(13週以上の主な前走は函館2歳ステークス11頭・オープン特別5頭)。間隔そのものの効果としては読めません。また、今年の登録馬に前走から13週以上あいた馬はいません。
- 東京芝1400mの2枠は、全国より低い側に出ました。 2枠の複勝率は18.0%(879頭ぶん)で、全国の同型コースの2枠21.3%の0.85倍(1割あまり低い)です。「内枠が有利」とは逆の向きです。
- 東京芝1400mでは、差し馬が高い側に出ました。 差しの複勝率は22.6%(2624頭ぶん)で、全国の同型コースの差し20.9%の1.08倍(1割弱高い)です。
- 「1枠が有利」「外枠は不利」「追い込みは届かない」「前走で大敗した馬は消していい」「前走を勝ってきた馬が強い」は、いずれも支持されませんでした。 数字の向きは別として、この頭数では、たまたまの範囲を出ていません。
⚠ 枠順は木曜まで決まりません。ここで書いているのは、このコースの過去の傾向です。⚠ 好走率の判定は、比べている相手が区分ごとに違います。軸をまたいで倍率の大小を比べないでください。
ここで使っている勝率・期待値は、JRA全レース分を毎週計算して公開しています。
1. コースで差が出た軸
東京芝1400mでは、548レース・8129頭ぶんの集計から32件を検定して、差が確認できたのは2件です。好走率で見た脚質・枠順・人気の16区分で2区分、回収率で見た16区分では0区分でした。

2枠 — 全国の同じ枠より低い
2枠の複勝率は18.0%(879頭ぶん)で、全国の同型コースの2枠21.3%の0.85倍でした。すぐ隣の1枠は21.9%(841頭ぶん)で比較相手21.1%の1.04倍(ほぼ同じ)なので、「内枠全体が不利」という話ではありません。差が出たのは2枠だけです。

差し — 全国の差しより高い
差しの複勝率は22.6%(2624頭ぶん)で、全国の同型コースの差し20.9%の1.08倍でした。今年の登録馬で、過去に最も多かった脚質が差しの馬はいません(登録馬の表の「主な脚質」を参照)。脚質は当日の展開で変わるので、そのまま当日の位置取りになるとは限りません。
2. 京王杯2歳ステークス自身の傾向 — ローテーション
過去12回(2014〜2025年)、延べ164頭の集計です。
| 区分 | 頭数 | 3着内 | 3着内率 | 残りの馬 | 倍率 | 主な前走 | 評価 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 3週以内 | 36 | 4 | 11.1% | 25.0% | 0.44倍 | 1勝クラス11頭・未勝利11頭 | — 差なし |
| 4〜6週 | 54 | 11 | 20.4% | 22.7% | 0.9倍 | オープン特別16頭・未勝利15頭 | — 差なし |
| 7〜12週 | 53 | 13 | 24.5% | 20.7% | 1.18倍 | 小倉2歳ステークス15頭・未勝利12頭 | — 差なし |
| 13週以上 | 19 | 8 | 42.1% | 19.3% | 2.18倍 | 函館2歳ステークス11頭・オープン特別5頭 | ↑ 高い |
はっきり差が出たのは13週以上だけでした。ただし13週以上の19頭のうち11頭は前走が函館2歳ステークスです。その前走函館2歳ステークスの馬も、3着内率54.5%(11頭ぶん)で残りの馬19.6%より高い側に出ています。休み明けが効いたのか、夏の2歳重賞から来た馬が強かったのかは、このデータでは分けられません。
⚠ 今年の登録馬に、前走が函館2歳ステークスの馬はいません。前走から13週以上あいた馬もいません。今年のレースを読む材料にはなりません。

人気別では差が出た区分はありません。上位人気(1〜3番人気)の3着内率は38.9%(36頭ぶん)で、頭数の構成を合わせた全国の同型重賞の基準47.9%の0.81倍。この頭数の範囲では、荒れやすい・堅いのどちらとも言えません。
3. よく言われるけれど、確かめられなかったこと
差が出なかったことは「調べていない」という意味ではありません。調べたうえで、たまたまの範囲を出なかった、ということです。
- 「内枠が有利」 — 1枠は複勝率21.9%(841頭ぶん)で、比較相手21.1%の1.04倍。2枠はむしろ低い側に差が出ています(前の節)。
- 「外枠は不利」 — 8枠は21.0%(1260頭ぶん)で19.8%の1.06倍(ほぼ同じ)。
- 「このコースで追い込みは届かない」 — 東京芝1400mの追込は9.3%(2550頭ぶん)で、10.4%の0.89倍。京王杯2歳ステークスの過去12回では、追込は6.4%(47頭ぶん)で16.1%の0.4倍と低く見えますが、47頭ぶんでは差とまでは言えません。
- 「前走を勝ってきた馬が強い」 — 前走1着は24.7%(97頭ぶん)で、残りの馬17.9%の1.38倍。数字は高い側ですが、この頭数では差とまでは言えません。
- 「前走で大敗した馬は消していい」 — 前走6着以下は14.3%(21頭ぶん)で、23.1%の0.62倍。こちらも差とまでは言えません。
全区分の成績は 東京芝1400m のコース傾向データ に掲載しています。
4. 馬券妙味はあるか
好走率の話と、買って報われるかの話は別です。ここまでは「よく走ってきたか」の話でした。
回収率でも東京芝1400mの16区分を検定しましたが、全国の同じ区分とはっきり違う区分はありませんでした。差しは好走率では全国より上でしたが、回収率では差が出ていません。
⚠ 回収率の判定は全国の同じ区分との比較であって、100%を超えているかどうかではありません。控除率があるので平均は100%を下回り、芝1200〜1600mに出た馬全体の単複平均回収率は73.1%でした。「高い」と書くときも、100%を超えて儲かるという意味ではありません。
5. 血統から見る
父ごとの成績を芝1200〜1600mで見ます(2016年11月2日以降・全国114111走、うち東京は17908走)。この舞台に出た馬全体では3着以内が21.1%、単勝と複勝を1点ずつ買ったときの平均回収率は73.1%でした。
| 父 | 今年の登録馬 | 全国 出走 | 3着内率 | 距離が合うか | 単複平均回収率 | 妙味 | 東京 出走 | 3着内率 | 東京が合うか |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| ビッグアーサー | ジオパークカツキ | 1440 | 24.9% | ↑ この距離が得意 | 72.3% | — 差なし | 122 | 13.9% | — 他場と変わらない |
| シルバーステート | シルバーノリダー | 1382 | 23.8% | — 他の距離と変わらない | 78.6% | — 差なし | 201 | 14.9% | ↓ この競馬場は苦手 |
| ファインニードル | ノーセット | 606 | 24.1% | ↑ この距離が得意 | 98.2% | — 差なし | 56 | 14.3% | — 他場と変わらない |
| グレーターロンドン | ロンドンガーズ | 377 | 27.1% | — 他の距離と変わらない | 95.4% | — 差なし | 69 | 11.6% | ↓ この競馬場は苦手 |
| アドマイヤマーズ | ニシノトラノスケ | 347 | 23.6% | — 他の距離と変わらない | 59.0% | — 差なし | 56 | 25.0% | — 他場と変わらない |
| シスキン | ブルージェイ | 170 | 34.1% | — 他の距離と変わらない | 62.8% | — 差なし | 39 | 38.5% | — 他場と変わらない |
| カラヴァッジオ | グルーヴェンス | 84 | 34.5% | 判定対象外(出走数が少ない) | 57.4% | — 差なし | 11 | 27.3% | 11走では判定できません |
| サリオス | アテナブレイブ | 58 | 34.5% | 判定対象外(出走数が少ない) | 49.2% | ↓ 回収率が低い | 10 | 20.0% | 10走では判定できません |
| ブルーポイント | フレイコン | 30 | 33.3% | 判定対象外(出走数が少ない) | 44.7% | ↓ 回収率が低い | 1 | 0.0% | 1走では判定できません |
| コディアック | インパルスドライブ | 1 | 100.0% | 判定対象外(出走数が少ない) | 115.0% | — 差なし | 0 | — | この競馬場での出走なし |
判定は全国の芝1200〜1600mで行っています。東京に絞ると1つの父につき数十走しかなく、ほとんどの父で差を確かめられないためです(東京の欄は参考値)。「距離が合うか」は父の優秀さではなく、同じ父の産駒どうしで、この距離帯と他の距離を比べた結果です。「妙味」は単勝と複勝を1点ずつ買ったときの平均回収率が、この舞台の平均(73.1%)より高いかどうかです。
- この距離が向いている父: ビッグアーサー(この距離24.9% / 他の距離13.4%・ジオパークカツキ)、ファインニードル(この距離24.1% / 他の距離18.5%・ノーセット)
- 人気のわりに報われていない父(回収率が平均より低い): サリオス(単複平均49.2%・アテナブレイブ)、ブルーポイント(単複平均44.7%・フレイコン)
- 東京で他場と差が出た父: シルバーステート(東京14.9% / 他場24.3%・シルバーノリダー)、グレーターロンドン(東京11.6% / 他場22.1%・ロンドンガーズ)。いずれも東京の方が低い側です。
サリオスとブルーポイントは、3着内率はこの舞台に出た馬全体の21.1%より高い水準です(34.5%・58走ぶん、33.3%・30走ぶん)。低いのは回収率の方で、よく走ってきたが、人気になる分だけ報われていない、という読み方になります。ただしどちらも出走数が少なく、距離の判定はできていません。
6. 今年の登録馬
10頭が登録しています(出走馬はまだ確定していません)。集計は2026年11月2日より前の出走のみです。
| 馬名 | 父 | 通算 | 前走 | 当コース | 同距離帯 | 重賞 | 主な脚質 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| ロンドンガーズ | グレーターロンドン | 3戦2好走 | もみじステークス 1着(1人気) | — | 3戦2好走 | 1戦0好走 | 逃げ |
| フレイコン | ブルーポイント | 2戦2好走 | クローバー賞 2着(1人気) | — | 2戦2好走 | — | 先行 |
| ノーセット | ファインニードル | 2戦2好走 | 前走 1着(1人気) | — | 2戦2好走 | — | 逃げ |
| ジオパークカツキ | ビッグアーサー | 2戦2好走 | カンナステークス 1着(2人気) | — | 2戦2好走 | — | 先行 |
| ブルージェイ | シスキン | 2戦2好走 | クローバー賞 1着(2人気) | — | 2戦2好走 | — | 先行 |
| グルーヴェンス | カラヴァッジオ | 3戦2好走 | サウジアラビアロイヤルカップ 4着(10人気) | — | 3戦2好走 | 1戦0好走 | 先行 |
| アテナブレイブ | サリオス | 4戦2好走 | 前走 1着(1人気) | — | 4戦2好走 | — | 逃げ |
| ニシノトラノスケ | アドマイヤマーズ | 2戦1好走 | サウジアラビアロイヤルカップ 10着(11人気) | — | 2戦1好走 | 1戦0好走 | 追込 |
| シルバーノリダー | シルバーステート | 1戦1好走 | 前走 1着(6人気) | — | 1戦1好走 | — | 逃げ |
| インパルスドライブ | コディアック | 1戦1好走 | 前走 1着(1人気) | — | 1戦1好走 | — | 先行 |
「主な脚質」は過去のレースで最も多かった脚質です。当日の展開で変わるため、そのまま当日の脚質になるとは限りません。
前走サウジアラビアロイヤルカップの登録馬は2頭(グルーヴェンス、ニシノトラノスケ)。このレースの過去7頭中1頭が3着以内(14.3%)で、残りの馬との差があるとは言えません。
7. 注目登録馬 — 6つの見方に当てはめる
このレースでは、出走した馬のうち22.0%が3着以内に入っています。その平均と比べて、各馬が当てはまる区分が良かったか悪かったかを並べました。どの馬が勝つかを予想したものではありません。
| 馬名 | 父 | 過去の傾向との重なり |
|---|---|---|
| ジオパークカツキ | ビッグアーサー | 良い: 血統(この距離が得意) 1440走ぶん |
| ノーセット | ファインニードル | 良い: 血統(この距離が得意) 606走ぶん |
| アテナブレイブ | サリオス | 悪い: 血統(回収率) 58走ぶん |
| フレイコン | ブルーポイント | 悪い: 血統(回収率) 30走ぶん |
6つの見方すべての内訳は次のとおりです。
| 馬名 | 前走レース | 前走の着順 | 出走間隔 | 脚質 | 血統(距離) | 血統(妙味) | まとめ |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| ジオパークカツキ | —(カンナステークス・例が少ない) | ↗ やや良い(前走1着) | ↗ やや良い(7〜12週) | → 平均並み(先行) | ↑ 良い(この距離が得意) | → 平均並み | 良い: 血統(この距離が得意) |
| ノーセット | —(—・例が少ない) | ↗ やや良い(前走1着) | ↗ やや良い(7〜12週) | ↗ やや良い(逃げ) | ↑ 良い(この距離が得意) | → 平均並み | 良い: 血統(この距離が得意) |
| インパルスドライブ | —(—・例が少ない) | ↗ やや良い(前走1着) | ↗ やや良い(7〜12週) | → 平均並み(先行) | —(出走が少ない) | → 平均並み | はっきりした差なし |
| グルーヴェンス | ↘ やや悪い(サウジアラビアロイヤルカップ) | → 平均並み(前走4〜5着) | → 平均並み(4〜6週) | → 平均並み(先行) | —(出走が少ない) | → 平均並み | はっきりした差なし |
| シルバーノリダー | —(—・例が少ない) | ↗ やや良い(前走1着) | ↗ やや良い(7〜12週) | ↗ やや良い(逃げ) | → 平均並み | → 平均並み | はっきりした差なし |
| ニシノトラノスケ | ↘ やや悪い(サウジアラビアロイヤルカップ) | ↘ やや悪い(前走6着以下) | → 平均並み(4〜6週) | ↘ やや悪い(追込) | → 平均並み | → 平均並み | はっきりした差なし |
| ブルージェイ | —(クローバー賞・例が少ない) | ↗ やや良い(前走1着) | ↗ やや良い(7〜12週) | → 平均並み(先行) | → 平均並み | → 平均並み | はっきりした差なし |
| ロンドンガーズ | —(もみじステークス・例が少ない) | ↗ やや良い(前走1着) | ↘ やや悪い(3週以内) | ↗ やや良い(逃げ) | → 平均並み | → 平均並み | はっきりした差なし |
| アテナブレイブ | —(—・例が少ない) | ↗ やや良い(前走1着) | ↗ やや良い(7〜12週) | ↗ やや良い(逃げ) | —(出走が少ない) | ↓ 悪い(回収率49.2%) | 悪い: 血統(回収率) |
| フレイコン | —(クローバー賞・例が少ない) | → 平均並み(前走2〜3着) | ↗ やや良い(7〜12週) | → 平均並み(先行) | —(出走が少ない) | ↓ 悪い(回収率44.7%) | 悪い: 血統(回収率) |
↑↓ は、たまたまでは説明しにくい差が出た区分です。↗↘→ は差があるとまでは言えない範囲の目安で、「—」は過去に例が少なく比べられないという意味です。
結局どう見るか
- 今年の登録馬について、はっきりした差が出ているのは血統の見方だけです。前走のレース・前走の着順・出走間隔・脚質では、↑↓ が付いた馬はいません。
- 過去に成績が良かった区分に当てはまるのは ジオパークカツキ・ノーセット です。理由はどちらも父の距離適性で、同じ理由で並んでいるだけです。別々の根拠が重なっているわけではありません。
- アテナブレイブ・フレイコンは、父の回収率が悪い側に出ています。好走率ではなく「買って報われてきたか」の話です。
- 残る6頭は、どの見方でもはっきりした差が出ていません。差が出ないことは、弱いという意味ではありません。過去のデータでは判断材料にならなかった、というだけです。
このレースで一番大きな差が出た「13週以上の休み明け」は、今年の登録馬には当てはまる馬がいません。事前に言えるのは、コースの側の2枠の低さと差しの強さ、そして父の距離適性です。枠順は木曜まで決まらず、脚質は当日の展開で変わります。
最後に
各馬の勝率と期待値は、前日のオッズが出てから計算してWebアプリに掲載します。この記事は、その前段として「このレースで言われてきたことが本当か」を確かめるためのものです。
たまたま出た差を「傾向」と書かないために、判定は統計の検定を通したものだけに限っています。差が出なかった区分を含む全区分の成績は 東京芝1400m のコース傾向データ に掲載しています。
この記事の集計は、JRA全レースの勝率・複勝率・適正オッズ・期待値を毎週計算しているデータをもとにしています。自分の予想や印と重ねて、買う条件と見送る条件を検証したい方は、15日間の無料トライアルがあります。